キャリアアップ


日本の「プレジデント」9月号で以下のようなトピックが持ち出されています。

「1億稼ぐ人の勉強法」

内容としては以下のようなものです。

①人生の目的
人生の残り時間を計算する
デッドラインを決める など
②継続
ひとつのものは10年続けて勉強する など
③集中する
使命感をもって勉強する
④金銭感覚
必要な講座にお金を投資することも忘れない
⑤他人から学ぶ
上司の話をよく聞き実行する
⑥アウトプットする
自分が得たことを人に教える など
⑦基本
基本に立ち返る。基本は重要であるので時には思い出す
⑧一流を知る
時には金持ちが参加するサークルなどに参加してみる


読んだ感想としては、この筆者がドラッガーを読んだかどうかはわからないが、大部分はドラッガーのマネジメント論と似通っている部分が多いと思いました。
それだけドラッガーが残したマネジメント論は汎用性があり多くの有識者の思想に影響があるものだと思います。

重要なメソッドの一つに「継続」がありますが、これが一番難しいのではないでしょうか。

強固で、かつ揺るがない「目標」が存在しなければ学習の継続はなしえません。


この情報化社会で、巷にはさまざまな情報が溢れています。
そのような環境では、自分のやりたいことや、仕事への情熱は日々流動的に移り変わることでしょう。

では現代人は強固で、かつ揺るがない目標を獲得するために、どうすればいいのか。


紹介した内容の中に「人生の目的」を確立することが後の「継続」につながっているわけですが

いくら人生を逆算して1ヶ月、1年かけてあらゆる自体も想定して盛り込んだ完璧な人生設計をしても

はっきり言って人生はわかりません。絶対起こりえないと思っていることも起こりえます。


私がこの記事の内容に対して足りないと思うものは、「価値観」、「直観」です。

価値観は、自分はどういう人間か。何が好きか。将来大金持ちになりたいのか、静かに質素に暮らしたいのか、という自分でそのものの価値を判断する観念で、嗜好に近い感覚であると思います。
直観に関しては、色々と考慮しなくてもすぐに判断できる感覚であり、価値観に基づく衝動に似た欲求で行動を起こす力があります。


これを考慮した上で人生の計画をたて、価値観、直観に逆らうことなくすすむことが、いかなる情報にも左右されずに自分に素直に生きる術ではないでしょうか。

Appleの前CEOスティーブジョブスは、大学の講義でこう言ったことがあるそうです。

「あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない。ドグマ(教義、常識、既存の理論)にとらわれるな。それは他人の考えた結果で生きて いることなのだから。他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。そして最も重要なのは、自分の心と直観を信 じる勇気を持ちなさい。それはどういうわけかあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。それ以外のことは、全部二の次の意味しかない。」

彼の「それはどういうわけかあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。」については、現在アメリカのスタンフォード大学の教授、ジョンDクランボルツが提唱している理論
計画的偶発性理論(Planned Happenstance Theory)と関連があるように思います。

価値観を信じて行動していれば、キャリアのなかで大なり小なりの機会がある。それを肯定的に掴むことでキャリアアップにつながる。という理論です。

その計画された偶発的機会は、以下の行動をとる人に起こりやすいといいます。

1.好奇心[Curiosity]
2.持続性[Persistence]
3.柔軟性[Flexibility]
4.楽観性[Optimism]
5.冒険心[Risk Taking]

この理論から考えても、自身の価値観、直観を尊重することがいかに重要であることがわかります。

しかし現実世界を考慮するとどうでしょうか?

価値観、直観を大切にといっても、行動に移すのはなかなか難しい。

例えばハワイで仕事がしたいから明日からハワイに行く!というのは現実的に難しいだろうし、かなりの準備期間が必要になる。


まずはじめの1歩として、自分の価値観、直観を考慮した後、サークルに参加するのが一番有効的であると思います。

いくらハワイ通になっても、ハワイに行くまでには程遠い。

実際に海外勤務経験のある人が集まるサークルに参加するのもいいし、ネットでハワイ在住の友達を作るのもいい。

キャリアの形成において人脈は必要不可欠である。これは記事の⑧に相当します。


環境が変らなければ、自分から環境を変える必要があります。