言葉の壁色々

中国大陸に渡ってから早1年と3カ月。オフショア開発や日中共同作業など経験してきました。

そこで色々と言葉の「壁」を感じることが多かったので、まとめてみたいと思います。


●カタカナ


オフショアなど日中で合同作業を行う際、多くの中国人技術者にとって「カタカナ」は大きな壁となります。

日本語が話せて、尚且つビジネス上で英語が問題のない中国人でも、カタカナを前にしてはたじたじです。英単語は知っているのに、カタカナがわからず

間違ってしまったりすると、とても悔しい(歯がゆい)と思います。

彼らからすると、本来英語である単語をいちいちカタカナに置き換えて覚えるのが面倒なのでしょう。これまでたくさんの中国人スタッフから、「この英単語、カタカナでなんていうの?」と聞かれてきました。

そのような経験から、私は日常生活から業務に至るまで、メールではカタカナを極力使わないようにし、正しい英語の発音で伝えるように心がけています。中国人ビジネスマンは、日本人にくらべ英語の基礎が出来ていると思うので、カタカナではなく

英語の発音で伝えるとすぐ理解してくれます。


例えばメールで

「メインレビューアーの要求で、アクティブファイルの関係ある部分をアーカイブと比較してリジェクトして下さい。」

日本人ならすぐ理解できるようなカタカナでも、中国人であればなおさら理解しにくく、混乱を招いてしまうのです。


カタカナを英語に直して伝えることで、何倍もスムーズにやりとりが出来きます。

カタカナ同様、略語も極力正式名称で伝えたほうが、逆に効率的にコミュニケーションをとることができます。


●中国語、日本語、英語


上海にいた頃は、日本語をたくさん話せる中国人がたくさんいて、とても驚きました。


彼らはとても勤勉で、常にチャレンジ精神が感じられます。大学を卒業してから企業に入って1〜2年しか経っていないのに、日本語を流暢に話せる若手スタッフも数人いました。


そのような若くて日本語を流暢に話せるスタッフは、「日本マニア」な傾向があると思いました。ある男性スタッフは日本のアニメやゲームが大好きで、大学時代ずっと見ていたお陰で、日本に数年
出張したスタッフより上手でした。

女性であれば日本のドラマなどが好きで、見ているうちに言葉など真似して上達するのでしょう。

以前飲み会の席でみんなイイ感じで酔っぱらってきた頃、とても可愛い女性スタッフに「ぶっ殺してやる〜!!」と思いっきり叫ばれました(笑)どこで覚えたのでしょうか(泣


そのような感じで、上海や深センなどの都会にいると、日本語を話せるたくさんの中国人に出会えるのですが、日本では流暢に中国語を話せる日本人に出会ったことがありませんでした!

私がただそういう環境にいなかっただけなのかもしれませんが、日本人のお客さんとこのことについてお話する機会があったのですが、同様に感じているそうでした。

私も含め日本人はとてもシャイですから、外国語を学んでバリバリ使おう!という方が少ないのが原因かも知れません。

以前は「日本人は英語を怖いと思ってるんだよね?」とジョークで言われたこともあります(笑

現在中国企業の日本企業買収など中国企業の勢いが目立ち、それと比例してこれからどんどん中国語の重要性が増してくると思います。

中国企業側が「メールを送る際は中国語に変換してから送って下さい」と要求してくることも増えてくるのではないかと考えています。

これまで日本は中国人をオフショア開発などで「雇う側」でしたが、立場が逆転すれば当然言語も逆転すると思うからです。


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上記2点を考えて思うことは、日本人は日本語で中国人と接する際はもっと思いやりをもって対応してほしいと思いました。

相手が日本語が上手だとついつい安心して普通のペースで会話したり、カタカナ、略語を多用してしまうのですが、中国人は脳内で一生懸命理解しようと頑張っています。

ですので、電話会議などではゆっくり話すことを心がけたり、メールでは略語やカタカナを使わないなど、ちょっとした思いやりがあれば、日中間でビジネスを円滑に進められることができると思います。